『個展のテーマである「子供の領分」は、吉行淳之介の小説から引用しました。この言葉が今まで作品のタイトルにしていた”We are in the same boat”とどこか同じ線上にある感覚があります。

　「子供の領分」という小説をとうして、私が子供時代に感じた同級生との微妙なバランス、違和感、疎外感、後ろめたさは、それぞれが相手を上回る力を持っていたかいなかを思い出させ、今でいうスクールカーストほどではないにしろ、自由闊達な学生生活を送ることを阻んでいたように思われます。

　そんな学生生活の中で、親友と思っていた友人でとの交流も、後年お互いの境遇の変化によってバランスを崩し友人が去っていった経験があります。

　そしてさらに同じ線上にあると思われる若者発信の流行語「親ガチャ」という言葉が示すように、どのような家庭に生まれ育ったかで人生は大きく左右されるという現実を、わたしたち中高年より30代以下の若い世代が、よりリアルに受けとめ、将来の希望を摘み取ってしまっている残念な現実があります。そんな現実と闘いながら、なんとか前向きに生きようとする子供や若者の思いをほんの少しでも代弁できるような絵を描きたいと思っています。』- 宇田見飛天

10月1日(土) 19:00～22:00にアーティストレセプションがございます。BYOB(持ち寄り形式)のどなたでも参加できるカジュアルなパーティーで、展示アーティストと様々に語り合える機会です。

では、広報のご協力をよろしくお願い申し上げます。

The title “A Child's Domain" was taken from a novel by Junnosuke Yoshiyuki. The words that she chose for this exhibition reminds Hiten Utami the delicate balance, discomfort, alienation, and guilt she felt as a child. The power game that may or may not have influence over others is surviving generations and make children of now still suffering from it. This is an unfortunate reality. Through her art, Utami wants to represent the children and young people who are trying to live positively while struggling with the unfair reality and show her solidarity.